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「結衣!」
龍騎が留学の話をしてから半年。
あたしたちは秘密の関係ながらも、両親がいない間は二人で出かけたりすることが多くなっていた。
「何?龍騎。」
呼び方も、両親の前以外は"龍騎"に変わった。
「あのな、俺らのこと…言ってみねぇか?」
「…えっ…?!」
頭が真っ白になった。
「今すぐとは言わねぇ。いつか、お前と暮らしたいからな…」
龍騎の言葉は、まだ中1のあたしにはあまりに重くて、衝撃的だった。
「龍騎、それは…まだ考えさせて…」
認められたい。そうは思うけれど。
認められる確率より認められない確率の方が確実に高いこの賭けにすぐに決断を下すことは出来なかった。

