その女の子は、そう言って似顔絵を描いた画用紙に、自分の名前と俺の名前を書いていた。



この女の子…実乃里・・?


なんで…

なんでガキの俺と、実乃里が一緒にいるんだ…?




『うえのなまえも、かこうかな?』

『“みょうじ”っていうんだよ』

『みょーじ?』

『みょ・う・じ。おとなになって、けっこんしたら、おんなはみょうじがかわるんだよ』

『え?なんで??』

『しらない』


俺は床に寝転がり、クレヨンを指でクルクルと回している。




『じゃあ、ミノリもかわるの…?』

『…いつかはかわるよ』

『ふーん・・なにになるんだろ…』

『ミノリは”シノクラ“でいいじゃん』

『シノクラ?シノクラって、ナオの上の名前でしょ?』

『みょうじだってば(汗)』

『あ、そうか』


照れたように笑う実乃里。