ビッグウェーブにやられて、転びそうになった私を…

南朋がとっさに抱えるように抱きしめた。




「・・・・」

「………………」



胸がドキドキうるさい。

この人混みの中、私たちだけ時が止まっているみたい…





「ご、ごめんっ…」


南朋からすぐに体を離す。


抱きしめられるの2回目だ・・

いや、でも…


今のは事故だよね。


だけど、どうしよう…

南朋の方まともに見れないよ…




「大丈夫?」

「え…」


どうしたらいいかわからずにいると、南朋が私の顔を覗き込んできた。





「だ、大丈夫だよ…」

「そっか。ここ抜ければ出口だから、頑張れ」