「裕一郎さんがね、大晦日に食べるお刺身を送ってくれたんだって!夕方届くらいしよー。しかも、築地から!」

「刺身か。いいな」

「ね。楽しみ♪あと、年越しそばと…明日のおせちの準備しなくちゃ!」


忙しい雰囲気を出し、ガッツポーズをする実乃里。



そんな実乃里を見て、胸がきゅっと締め付けられた…



かわいい。

そう、心から思った。




実乃里のことを好きだと自覚してから、俺はなんだか心が軽くなっていた。


好きだと自覚したこたで、

ある意味開き直り、自分に正直になれたから。






ピンポーン……


「!」


その時、家のインターフォンが鳴った。




「…刺身か?」

「…でもまだ2時前だよ?」

「俺が出るよ」


インターフォンの画面を見ると…




「え?……渉??」


画面には、頬を膨らませて、なにやら怒っている渉が映っていた。




「…ど、どうぞ(汗)」