「じゃあ…私の部屋に来てくれる?」

「うん…」


俺は廊下に出て、実乃里の後についていく。

実乃里は俺よりも先に歩いて、部屋のドアを開けた。





「あ、来た来た!ケーキ切っといたよ」

「ありがと、虎之助」


実乃里の部屋に入るなり、部屋の中にいたあのひょろひょろが、ケーキをカットしながら、こっちを見てきた。


俺は無表情のまま、部屋のドアを閉める。




「南朋、紹介するね。同じクラスの伊集院 虎之助くん」

「虎之助って呼んで♪この前は、いじめっこから助けてくれてありがとう!」


ひょろひょろはそう言って、カットしたケーキを皿に乗せた。



いじめっこから、助けた…?

別に、お前を助けた訳じゃねえよ。