保健室の扉を開くと 60代半ばの保健医の先生が 椅子に腰掛けていた。 俺も穂乃香も小学校の時 お世話になった先生だ。 「あら、紳司君じゃないの! どうしたの?こんな時間に…」 「あぁ、学校行く途中に会って…」 そう説明しながら女の子を下ろし、 椅子の上に座らせた。 「まぁ~わざわざありがとう。 さっ、お薬つけてあげるわね…」 古びた白い棚から 消毒薬とガーゼを取り出すと 保健医のおばちゃんは手早く 女の子の手当てをした。 さすが何十年もやってるだけある。