それでも納得しない穂乃香は
静かに泣き続けた。


俺以外の他の人に
泣いていることを
知られないように。


「ほのちゃん…」


幼い俺は何もできず、
無力だった。


そんな俺ができることはないか、
頭をフル回転させて言葉を探した。



そして俺は小さな穂乃香の手を握った。


驚いた顔をした穂乃香が
真っ直ぐ俺を見る。



「僕が…傍に居るから…
ほのちゃんの隣に居るから…
だから寂しいなんて言わないで？
泣かないで？…笑っててよ？…」