Hina


「いつもの場所に居なかったら、家の人心配してるんじゃないの?」

「いいんです!帰りたくなかったから」

ヒナが急にはっきりした口調になったので、俺はびっくりした。

「パパもママも勝手な事ばかり言うんですぅ。もうあんな家には帰りませんっ!」

痛たたたた・・・・・・二十四歳の家出娘かよ。

「家に帰りたくないのか・・・・・・可哀相に。きっと酷い目にあったんだね」

俺はヒナの肩を抱いた。

「はい・・・・・・」

ヒナは顔を伏せた。