花送り―宗久シリーズ番外―

直感。




先生は、私の世界を変えてくれる人だった。


私を救い出してくれる人だった。














だから………私はもう、行かなきゃいけないね。











道は、もうわかる。


行くべき道が、今なら見える。




先生が、指し示してくれているから。








「紫花子くん、君は必ず幸せになる。僕は、ずっと祈っているから」









ありがとう、先生。


ありがとう、ありがとう。







先生の指差す向こうには、光る道が見える。


穏やかな光が舞う、道が見える。






私は今度こそ、自分の意思で歩いて行くんだね。




幸せになる為に。


生まれ変わる為に。









「さぁ…行っておいで」








私の手を握りしめていた先生の手が、ゆっくりと離れる…………。









ねぇ、先生。





私、もっと早く先生と出会えたら良かったな。


できるなら、生きている内に会いたかったな。





思っても仕方がないから、せめて……。




せめて、私は先生の幸せを祈るよ。



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