痛々しくも生きている

「ん?それよりきょうちゃん。部屋決めってどうやってするんだ?」

「…ああ……ジャンケンだよ」

「ふーん……」



つーかまだ、きょうちゃんってば落ち込んでらぁ。ははっ……は…………………………。



「ジャンケンんんんッ?!」

「ちょ、おまっ…しーっ、しーっ!声もっと落とせって!……あ、すいませーん……ははっ……」



周りからの視線に対し、きょうちゃんが苦笑して叫んだことに謝罪(まあアタシが悪いんだろうけど)。

ってか、ジャンケンって…ジャンケンって……!



「ふざけす、もがっ?!」

「いいから大声出すな!」

「もがもごーッ」



きょうちゃんに口を押さえられ、また痛い視線を浴びることを免(まぬが)れたものの、未だ驚愕。

いやジャンケンって適当過ぎますって。


「ぷはっ…」きょうちゃんから手を離してもらい、ジャンケンについて大人しく説明を受ける。


きょうちゃんによると、


一、ジャンケンで勝ったものから部屋の鍵を貰い、先に部屋で待機。

二、鍵の交換はナシ。

三、部屋決めジャンケンは星冠学園の伝統的行事なので不正のないよう行(おこな)う。


……って、いやいやいや。

これのどこが伝統的行事だよ。
三つ目明らかにオカシイだろ。


きょうちゃんに「質問は?」と聞かれたので「ないよ、けど…」と答える。



「けど?けど…なんだ?」

「うん、質問はねぇけどさ。…色々ツッコミたい」

「却下」



鬼かお前。

ツッコミ魂吸い取る気かテメェ。