痛々しくも生きている




「それでは今から部屋決めを始めたいと思いまーす」



陽気な先生の声で、新入生も自然と明るい雰囲気に包まれる。


一部、アタシを除いて……



「なーぁ、愁っ。別にまた会えると思うし……な?だから機嫌直せってばー」

「……だってよぉ」



あのカマ男が新入生じゃないんなら、なんで新入生の輪の中にいたんだ?

オカシクね?



「あー、もしかしたらさっきの人さ、俺らの過ごす寮の【寮長】だから、この場にいたんじゃねぇ?」

「寮長?」

「そ、寮の説明はさっき先生がしてくれたけどよ、その説明はアバウトにすまして、本当に細かく説明すんのは寮長さんなんだ」

「へぇー………って、きょうちゃんってホント何でも知ってんだな」

「ははっ、そうでもねーよ。つかお前が無知なだけー」

「そりゃスイマセンねぇ」



お互いバカなやり取りをして笑い合う。

こんな風に笑い合ってると、自然とカマ男へのイラつきも治まってくる。

まだ完全に直ったワケじゃねぇがな。

そんでもさっきよか、だいぶマシになったことは確かだな。きょうちゃんにマジ感謝。



「ま、寮長かどうかは分かんないけど。とりあえず同じ学園内にいるんだからさ、また会えるって」

「……そうだな。うん、そうだよな。……うっし、きょうちゃん。そうと決まればこの後さっそく探しに行くか!」

「えぇーっ?!いきなりかよ!」

「アッタリマエじゃん。思い立ったら即行動。これがアタシのモットーだ」

「なんだよソレぇ……」



さっきとは打って変わって、アタシが元気になりきょうちゃんが落ち込む形となるけど……。

うん、まあ。こういう運命なんだよ
きっと。