「悪ぃ悪ぃ」と言って笑うきょうちゃんに再三さっきの質問をする。

きょうちゃんは肩をすくめて「ほんとに知らねぇんだな」、と溜め息をついた。

何気シツレーだよな、お前。



「この学園は奇人変人ばっかが集う学園なんだ。それは生徒だけじゃなく先生も。
ま、先生の場合はサボり魔ばっかだから滅多に会えねぇけど」



それ仕事放棄じゃん。
それで金貰ってんのかよ。



「って、奇人変人か……。
そういやあのチビ会長も言ってたな」

「はあ?!お前生徒会長に会ったのかよ?!」

「そうだけど……なんでンな驚いてんだ」

「はぁー…、お前さ、ホントなんでこの学園入ったんだよ……命知らずか」



そんなこと言われてもな。

ポリポリ頬をかくアタシを見て、きょうちゃんはまた溜め息。

幸せ逃げんぞ。



「この学園の生徒会長に目ぇつけられっと色々やばいからな。お前も気をつけろよ」

「……あー、うん」

「…………。お前、目ぇ泳いでね?」

「ンなことねーよー?」

「……なあ、愁。まさかとは思うけどよ、お前……」



…………。

冷や汗がアタシの体から噴き出す中、きょうちゃんは震える指でアタシを指差す。



「…その、まさか。なんだよな……」

「ッ、はぁぁああぁあぁあぁあっ?!」



ちょ、おま、うるさッ

つか周りの視線が痛ぇ!



「おおおおおまっ、いつ?!どこで?!何があった?!」

「ちょ、体揺らすなっ…うぷ。お、落ち着けって!!」



揺らされっと気持ち悪くなんだよ!
ちょ、マジで吐くっ。