"好き"ならば



「嫌、か?」


僕の返事が遅くて、眉を下げて此方を見てくる先輩。僕は、ハッとしたように先輩の方を向き「はい!します、します!やらせて頂きます!」と興奮した様子で言う。
魁王先輩は、そんな僕を見て吃驚したように目を丸くした後、「嗚呼、良かった」と可笑しそうに微笑んだ。


「元気だな。八王子」


「え、あ、はい。えっと……」


クスクスと目の前で笑う魁王先輩。どうやら、返事に対する返しの仕方が面白かったらしい。
僕も、今更そんなことに気付いて恥ずかしくなる。
そんな魁王先輩の傍ら、詰まらなそうに欠伸をする篠崎くん。いつもの笑顔はその表情から消えていて、鋭く此方を睨んでいるようにも見えた。


「ねー、そろそろHR始まるよ?戻ろーよ、八王子くん」


「あ、え、もう!?うん。わかった。それじゃあ先輩、また」


「嗚呼、詳細は後で説明するよ」


とニコリと微笑む顔も格好良くて。やっぱり、好きだなあ、なんて思いながら、待っている篠崎くんの元へ行き教室へ向かう。
篠崎くんはクルリと振り替えって魁王先輩に一礼する。
さっきとは全く違い、妖艶に、愉しそうに笑って____。