普段、能天気な父さんが真剣な時は、ろ くな話じゃない。 ……リストラでもされたか? ―――しかし、父さんの答えはそんな予 想とは真逆の方向に突っ走った。 「父さん、好きな人が出来た」 「……は?」 「父さん、結婚する!!」 「はぁ?」 なんだそれ。いきなりすぎてリアクショ ンに困るんですけど。 俺は真剣に目をキラキラさせる父さんを 、頬杖をつきながらみやった。 「……結婚とか、急だな」 「もう籍入れちった♪」 テヘッととぼけてみせる父さん。全然可 愛くない。吐き気がする。