自分に正直で、感情をすぐにさらけ出し て、単純。 そんな女だった。 俺のこと嫌いなくせに、ちょっとからか うと顔を真っ赤にするし。 俺にいいように誘導されてるって、気付 きもしねーで。 ほんと、アホ。 「―――ふぅん?随分仲良しになったん だね?」 不意に聞こえてきた声に顔を上げると、 優希が春を見つめながら呟いていた。 「そんなんじゃねーよ。ただ、勉強教え てやっただけだ」 「棗が?」 嘘だろ?というように俺を見下ろしてく る優希。 「嘘じゃねーよ」