首に彼女の細い腕が回ると、ほんのすこ
し残っていた理性が決壊した。
「……理性なんてねーよ」
この気持ちを抑える術がわからない。
ただ、好きで、大好きで。
お前が居なくちゃ俺はきっと死ぬってく
らいに愛してるんだ。
春の甘い声が、熱い吐息が、俺を狂わせ
た。
「愛してるよ……春」
俺に応えるのに必死で何も言えない春に
、俺はずっとそう囁いた。
愛してる。
何年たっても、嫌われても、ずっと。
……お前だけ。
【……理性なんてねーよ 完】
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