その時、頭上から――― 「……柏木、大丈夫?」 いましがた、電話から聞こえてきた声が 聞こえてきて、ハッとして顔をあげた。 夢かと、思った。 そこにはちょっと微笑んだ東野君が立っ ていた。 東野君は、携帯をしまうと、しゃがみこ んだ私を立ち上がらせた。 「偶然、こっちにいたんだ。……どうし たんだよ、柏木」 「キスして……っ」 「……え?」 私は、ぎゅうっと東野君に抱きついた。 「キスして……お願い!」 何も考えられなくなるくらい、甘く、激 しく。