どうしたんだろう、と東野君を下から覗 きこむと、東野君が不機嫌そうに私を見 下ろした。 「それはそれで……なんか、ヤダ」 「へ?」 「少しくらい……妬いてよ。そっちの方 が嬉しいから」 「……っ!」 至近距離で低くそう囁かれて、カアッと 顔が熱くなっていく。 思わず俯くと、上からからかうような声 が聞こえてくる。 「かーしわぎ?」 うう……意地悪。 私が照れてるってわかってて、そんな声 で呼ぶんだ……。 東野君ってたまに意地悪だよね……。