そして―――…… 棗の笑顔、声、吐息……体温、全てにと きめく。 駄目だってわかってる。 それでも―――……。 それでも微かな甘い動悸を心臓が感じて しまう。 でももう、そんなことない。 だって私が好きなのは、東野君だから。 東野君、ただ一人だから―――……。 言うんだ。 精一杯の気持ちを込めた、チョコレート と私の想い。 『大好きだよ』って。 『愛してるよ』って。 私が好きなのも、触れたいと願うのだっ て。