「い、一緒に寝るのは許したけど……!
抱き締めていいなんて言ってない!」



そう。

今の状況は、布団の中で私が後ろから抱
き締められた状態。



髪の毛に埋められた中の顔からかかる吐
息に思わず身を捩〔よじ〕る。



「良いだろ。こういう時しかくっ付けな
いんだから」


「く、くっ付けないって……!」



「―――クリスマスだ。許せ」



そんな棗の声を聞きながら、少しだけ、
切ない気持ちになる。



しんしんと降り積もる雪を見つめながら
、いつの間にか夢の世界に吸い込まれて
いった。