「ふ……。 嘘だよ、気にしないで。 別に怒ってなんかないから。 それにお化け屋敷が好きとか、あれも嘘 だよ。別に嫌いじゃないけど」 クスクスと私の頭上で笑っている東野君 。 「だ、騙された……」 「うん。 困ってる柏木可愛かった」 「もー……」 でも、いっか。 だって東野君、すっごく楽しそうなんだ もん……。 ◆◇◆ 「柏木、そろそろ時間じゃない?」 東野君にそう言われて時計を見ると、も う5時も終盤に差し掛かっていた。 冬だからか、辺りはもうすっかり暗くな っている。