「無防備すぎるんだよ……」 男の部屋で、そんな安心しきったように 寝るなよな……。 襲われてもしらねーぞ……? 「……なんて」 そんなの無理だって、自分が一番知って るんだけどな……。 そんなに安心されてたら、襲えるものも 襲えない。 本能よりも。理性よりも。 "嫌われたくない"って恐怖が、俺を締め 付けるから。 だから―――……。 「ん……棗……」 だから、そんな風に、愛しい声で。 「名前なんか……呼ぶんじゃねえよ…」