そんな女の子の声が聞こえてきて、思わ ず足を止めた。 恐る恐る階段を降りると、昇降口の下駄 箱の所で、女の子の姿が見えた。 こ、こんな所で告白……!? すごい困るんだけどな、とは思ったもの の、やっぱり好奇心には勝てなくて、思 わず立ち聞きしてしまう。 女の子の声が、段々とはっきりしたもの へと変わってきた。 「ずっと好きでした……杉本君が」 途端、固まる私。 今、杉本君って言った―――……? 「悪いけど……ごめん」 次に聞こえてきたのはやっぱり棗の声で 、胸がドキッと跳ねた。