そんな私に、美怜はニコニコと頷く。 「うんうんっ!めっちゃ順調だよ!…… それともキスじゃ足りない、とか?」 「はっ!?」 「やだぁ~、春ったら大胆!」 「もー……からかわないで…」 ―――ガンッ! 根も葉もないことを言い出す美怜に困っ ていたら、急にそんな音が聞こえてきて 。 その音のする方を見てみたら、棗が近く の机を蹴り飛ばす音だった。 驚いてそっちを見ていると、棗がゆっく りと私を見て。 「春……おはよ」 言葉とは裏腹に、殺人でも犯してきそう な鋭い眼差しを突きつけてきた。