―――『よろしくね、お姉ちゃん』



普段なら絶対女の子に見せないような極
上のスマイルでそう言った杉本を睨み、
私は二回へとかけ上がった。



それから、自分の部屋に駆け込む。



別に女の子らしい訳でもない、質素な部
屋。



私はずんずんと歩いていくと、ベッドに
勢いよく飛び込んだ。



あり得ない!本当にあり得ない!なんで
よりにもよってアイツが弟!?



さっきは優希くんならいいなんて言って
たけど優希くんも嫌!ていうかモテ男は
嫌だよ!



ぎゅうっと布団を握りしめる。



あんなモテ男と一つ屋根の下だなんて知
られたら、女子の僻みと妬みと怨みに押
し潰されて死ぬ。



通りすがりに悪口言われたり。

敵意剥き出して睨まれたり。