ゆらゆらと、揺れる想いはどちらに傾く
のか自分でもわからずに。



泣いても笑っても、選べるのはたった一
人。



―――いや、選ばないという手段もある
のか……。



真剣な告白も、情熱的なキスも。全部、
私を惑わせる悩みの種。



私は一体……どうするんだろう―――。








「―――る……春ちゃん!」



「ほぇ!?」



美怜に呼ばれたことに気付かなくて、す
っとんきょうな声を出せば、美怜がジト
ーッと私を見ていた。



そんな美怜に取り敢えず苦笑いする。



「春ちゃん、ボーッとしすぎ!もう文化
祭から一週間も経ってるのに、まだ夢見
心地なの?」



「!」



カアッと顔が熱くなっていくのがわかっ
た。