「か、柏木!」
後ろからそう声を掛けられて、振り向け
ば、ちょっと顔を赤くさせた東野君が立
っていた。
「東野君?」
「倉沢さん、ごめん。ちょっと柏木借り
るね」
東野君はそう言うと、ぐいっと私の腕を
掴み。
人気のない校舎裏まで連れ出した。
遠くで、ワイワイと楽しげな声が聞こえ
てくる。
だけど、後夜祭の為に用意された幾つも
の模擬店の灯りも、ここまでは届かない
。
東野君は立ち止まると、くるっとこっち
に向き直った。
「柏木……聞いてほしいことが、あるっ
て言ったろ?」
「う、うん……」
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