―――東野。 俺の勘違いじゃなければ、春は確実にそ う言った。 俺は思わず立ち上がり、春の携帯をかっ さらう。 「ちょ、棗!?返してっ」 「黙れ」 そういいながら携帯の液晶を見て、思わ ず舌打ちした。 ―――柏木へ。 今日は無理いって買い物に付き合わせて ごめんな。帰りも遅くなったし。 無事に帰れてる? 多分妹も、喜んでくれると思うよ。 本当にありがとう。昔から柏木は、頼り になる奴だったよな。 そんな柏木が俺は好きだ。 ……なんかこっぱずかしいから、この辺 で! ―――東野 千尋