棗は私の目の前で立ち止まると、無言で
私を見下ろす。
思わず、胸がドキッと高鳴った。
「な、なによ……」
「疲れたのかよ」
「そうよ。棗と違って、あんまり体力な
いからね」
そう言うと、棗がぐっと屈んで、私を見
つめてきた。
その綺麗な瞳に、思わずたじろぐ。
……い、いつもと雰囲気が違う!?
「なんか食いたいもんあるか?買ってき
てやるよ」
「な……!?い、いい!!自分で買うし
っ!!」
そう言いながら、ガバッと立ち上がり、
財布を掴んで屋台へ駆けていく。
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