エメラルドブルーの海が広がる爽やかな 中、棗はやっぱり仏頂面で。 私は張ったテントの中で、呆れながら、 棗を見下ろした。 「いつまで不機嫌なの、棗」 「女ってどうしてあんな鬱陶しいの」 「それを女の私に尋ねるの?」 「え、お前、女だったんだ」 ……。 いま、無性に棗を殴りたくなった。 きょとんとしながら、さも当たり前かの ように言いやがって……。 お前の目は節穴か!! 「男はビキニ着ないでしょ!」 そう言うと、棗はチラッと私を見上げて 。それから立ち上がると、今度は私を見 下ろした。