―――8月。


夏休みに入って数日。



照りつける太陽に項垂れ、蝉の鳴き声に
煩わしさすら感じてくる。



そんななか、私は真っ昼間っから、リビ
ングのソファーでゴロゴロとしていた。



「あっつー……」



ううぅ……、と呻きながらゴロン、と転
がると、視界に誰かの足が入った。



その先を辿れば、立っていたのは夏なの
にジーパンという暑苦しい格好をした、
棗だった。



「んー……?棗ぇ?」



「……お前、そんなに寝てるとブタにな
んぞ」



……失礼な!



と言い返したい所だが、最早言い返す気
力も残っていない。



「もー、ブタでいいもん……」