翌日。

 あたしが駅に着くと、松本くんはもうすでに来て、あたしを待っていた。
「おはよう、里田」
「おはよ」
 さすがと言うべきなのか、松本くんはファッションセンスも抜群で。

「なに固まってんだよ。 白馬に乗った王子様でも見つけたか?」

 …バカにしたような笑みも、抜群に腹が立つけど。

「ちがいます」
「じゃあ行くぞ」
 くるりと背を向けた松本くんのあとを、あたしは慌てて追いかけた。