夏休みも数日過ぎたころ
私は姉と墓参りに来ていた。
姉の運転する車で1時間弱。
隣の市にある両親の眠る墓。
青い空がどこまでも広がっている。
「・・・姉ちゃん、何で
今日墓参りしようと思ったの?」
今日は平日。
小学校の先生をしている姉ちゃんは
夏休みと言えど今日は出勤日だ。
「墓参り、だけじゃないの。
今日は千夏に会わせたい人がいるの。」
とりあえず、二人並んで
墓に線香をあげ、手を合わせた。
「千夏、今何歳?」
「14歳。」
「そっか・・・。
あの時の私と同じ歳ね。」
あの時、姉が14歳の時。
今から十年前。
あぁ、両親が死んだ時か。

