隠したって、気づかれる。

彼は妙に勘が鋭いんだから。

「私…あなたのことを、全くと知らないです。

行き着けのお店のシェフだって言うこと以外、何にも知りません」

「つきあおうって?」

「…えっ?」

「平岡さんが言いたいこと」

首を横に振る。

「そんな…つきあおうとか、そんなんじゃ…」

やっぱり、鋭い勘をしている。

「いいですよ」

「……はい?」

常盤は微笑む。