「うん。
 今日も病院。

 私、落ち着いてると
 思うんだけどね。

 なんか、まだ経過観察
 必要みたいで」



視線をわざと逸らして
ちょっと不満そうに、
窓の外を見つめながら
小さく呟く。





病院よりも、
雪貴くんといる時間を
優先させたい。




そう思う心を
押し隠して。




自分でも
おかしく思えるほどに
雪貴くんの事しか考えられない。





「なら、放課後。
 俺も付き合うから」



病院の日。

いつものように
そう答える彼の返事に
私は、にっこりと頷く。


これで今日は、
もう少し長く居られる。


「ねぇ、今日は私の家でご飯食べる?
 何か予定入ってる?」



思い切って言葉を紡ぐ。