「何もないよ? お腹空いたでしょ? 今日は張り切って作ったからおいしいよ!」
そう笑顔で言う叶愛。
…我慢させすぎた。
「叶愛、我慢すんな。大事な奥さんなんだから…無理しないで」
「…大丈夫だよ」
「バカ、なんでいわねぇの。もっとこうしてほしい、とかさ…俺に我儘たくさん言ってくれない?」
頭を撫でながら抱きしめる。
「い…いいの…? 私の我儘、大変だよ…?」
「当り前だろ? たくさん言われた方が嬉しい」
驚いたように俺を見上げる叶愛は相当泣いたみたいだ。
まだ溜まっていた涙をぬぐってやる。
「もっと…構って…? たくさん、抱きしめて…キスして…愛して…」
「うん、もちろん」
「寂しいよ、もっと仕事の話でも何でもいいから話したい…面倒くさい奥さんでごめんね…?」
切なそうに小さな声で言う叶愛が愛しくてたまらない。
「何も面倒くさくないよ、叶愛…気付いてやれなくてごめんな?」
「ううん…空汰君は何も悪くないの。私が強くならなきゃ…」

