水無月さんはその表情のまま、しばらくタオルの上でむすっとする。
けれど俺と目が合うと、一回タオルにもふもふと顔をうずめてから、勢いよく立ち上がった。
どうやら自分で動く気になったらしい。明日は大雨かもしれない。
「小野くんがしまった方が綺麗にしまえるのに……」
「水無月さんが綺麗にしまおうと努力してないだけだと思います」
「そんなことないよー」
と言いながら、水無月さんは抱えていたタオルを、引き出しにぼすっと、まとめて入れる。
だからそれがダメなんですよと。何度言ったら。
「……めんどくさがってたら一生綺麗にしまえないっすよ」
「全部データ化されちゃえばこんなに小野くんに怒られることないのに……」
すべてがデータ化されたとしても、水無月さんのめんどくさがりには、とうていかなわないと思います。
だってこの人、全部データ化されたら、「ひとつひとつデータにするのめんどくさい」とか言い出しそうだもん。
水無月さんはぶつぶつ言いながら、タオルを一気に押し込もうと頑張っている。
そこに頑張っても意味ないっすよ水無月さん。
隙間空いてますから。隙間。気づけ。
「ようし、入ったー!」
結局水無月さんは、タオルをすべて押し込んでしまった。
隙間には最後まで気づかなかった。無念、隙間。


