太一か……。 そういえば…… お父さんに紹介した時、威厳のある見た目にビビって小さくなってたような。 お父さんはそんな太一に喝を入れてたっけ。 今思えば、リュウの時よりも厳しいことを言ってた気がする。 あたしの彼氏に文句を言わないと気が済まない太刀なのかもね、うちのお父さん。 「この前偶然会ったよ」 太一の話題が出たから、何気なく亜希に話を振ってみた。 だけど…… 「へぇ……誰に?」 聞こえたのは亜希の声じゃなかった。 隣から聞こえた不機嫌そうな低い声に、肩がビクッと跳ね上がった。