気づいた時にはもう遅い。




どこだ!?今日は誰だよ!?




忽然と消えたれんを見つけるべく目を凝らす。


いなくなるのは日常茶飯事なんだ…





何故なら






「昨日読んだ黒ふわ王子の…っ!うわぁっ、祥悟く―――んっ!!」






あぁぁぁあ゛ぁ!今日はそいつか!






ベビーフェイスのちょっと背が低い男のところへ急ぐ。




「あのっ、握手して下さい!あ、彼女さん…うわ、さくちゃん役だ!素敵すぎー!!」






そいつはショーゴでもショータでもねぇよ!




やっとれんの場所に追いつく。







ふわふわした男は目を丸くしてがっしり握られた手を凝視していた。





「おいれん!小説のキャラじゃねぇだろ!?その手を離せ!」




「いやーっ祥悟くーーぅん…」





「すんません、すぐ連れて行きますんで…。」






れんの第2のやっかいな特徴。





読んだ小説のキャラ(しかも寄りによって90%イケメン)を見つけると全力で駆け寄り、なつく。







ホント、勘弁してくれ……。