***


ドーーーーン!!!

ドドーーーーン!!!


「始まった」


薄暗い部屋の中に花火の音が響く。

その部屋から花火は見えないのに、めずらしく窓を開けて外を眺めていた。


ドンドンッ!

花火とは正反対の方からドアをたたく音がする。


ドン!!

ドンドンドン!!!


「茜!」

「茜!!」

「茜ちゃん!」


次々に聞こえる、いつも面倒くさい人達の声。


カチャカチャ

ドンドン!!


「茜、開けろよ!!」


何度も何度もドアを叩いたり、大声で訴えてくる。

いつもならほっておきたいところだけど、近所迷惑になるからと仕方なくドアを開けた。



***


カチャ

茜が仕方なさそうにドアを開けた。


「入れば?」


茜はそっけなく俺たちにそう言って部屋にあげようとしてくれた。