AKANE -もう一度、逢いたい-



***


先生の無理矢理な抜き打ちテストが終わり、ぐったりするお昼休みの教室内。

まぁ、あたしには関係にはない。


「茜ちゃん~。
ダメだ~、死んだ~~」

「そう」

「もうちょっと
優しくしてくれてもいいのに~」


ずっと横で死にそうな声を出して、明らかにかまって欲しいみたいだ。


「茜ちゃんのケチ~」


そのまま机に突っ伏した。


「明音!」

「よっ」


というように突然現れたのはよく隣にいた人。


「あ、奈緒ちゃん。
久しぶりだね~」


ハイタッチまでしているのは仲のいい証拠。

これこそが本当の女子高生。


「急にどうしたの?」

「遊びに来ただけ~。
ねぇ、トイレ行こっ」

「うん!」


少し申し訳なさそうな顔をして、あたしに軽く手を振ってついて行った。


お昼休みももう残り少ないのに、明音はまだ戻りそうになかった。

その時、


「如月 明音さんは
いらっしゃるかしら?」


出入り口から呼ぶ先生は次の古文の先生だった。

仕方なく、そこに向かって今はいないことを説明する。


「じゃあ、
河崎さん手伝って?」


やわらかな雰囲気が漂うその人から断ることなんて出来なかった。