***
先生の無理矢理な抜き打ちテストが終わり、ぐったりするお昼休みの教室内。
まぁ、あたしには関係にはない。
「茜ちゃん~。
ダメだ~、死んだ~~」
「そう」
「もうちょっと
優しくしてくれてもいいのに~」
ずっと横で死にそうな声を出して、明らかにかまって欲しいみたいだ。
「茜ちゃんのケチ~」
そのまま机に突っ伏した。
「明音!」
「よっ」
というように突然現れたのはよく隣にいた人。
「あ、奈緒ちゃん。
久しぶりだね~」
ハイタッチまでしているのは仲のいい証拠。
これこそが本当の女子高生。
「急にどうしたの?」
「遊びに来ただけ~。
ねぇ、トイレ行こっ」
「うん!」
少し申し訳なさそうな顔をして、あたしに軽く手を振ってついて行った。
お昼休みももう残り少ないのに、明音はまだ戻りそうになかった。
その時、
「如月 明音さんは
いらっしゃるかしら?」
出入り口から呼ぶ先生は次の古文の先生だった。
仕方なく、そこに向かって今はいないことを説明する。
「じゃあ、
河崎さん手伝って?」
やわらかな雰囲気が漂うその人から断ることなんて出来なかった。

