「どうしてもこの5人で
一緒に行きたいんだよね~」
パッとすかさず明音ちゃんの手を持つ女たらし。
「えっと…これって日にち…」
そんなこと言いながらスッと手を引っ込めた。
全く動揺せず天然な明音ちゃんも相当な強者だと俺は思った。
「日にちは…えっと…」
「大丈夫、大丈夫。
7月最後の日の夜だから」
「それって講習最終日…」
「だから大丈夫ってこと。俺たちもサッカーの練習早めに終わるからさ」
蒼次のことも無視して話を進めていく陽平。
それにしてもサッカー部が早く終わるとかそういうチェックはまめだなって感心してしまう。
まだ気乗りしていない茜に俺は声をかけた。
「茜。せっかくだから
一緒に行こうよ!」
「…行かない」
「たまにはいいんじゃないか?
俺らと行くのもさ」
「行きたくない」
蒼次が話しかけてもやっぱり心は閉ざされてしまったままだ。
「そんなこと言わずに、
楽しもうじゃないか!!」
「…行かないって
何度も言ってるでしょ!」
茜にきつく言われてしまった陽平はショックを隠せないようだった。
「私、浴衣着ようかなぁ」
「明音ちゃんなら
何色でも似合うって!」
「茜ちゃんも一緒に浴衣着ようよ」
積極的に話を進めていくのはやっぱり天然だからなのか。

