「なんか、すんません。俺たち…」
「なんでお前らが謝るんだよ」
「「……」」
「ガハハハハハハッ!!」
「「!!!!!!!」」
今日、最大の大声は全校生徒の注目を集め、驚いたなんて言葉じゃ表せないほどの衝撃だった。
「お前らが頑張ってくれるから、引退なんて関係ねぇ。そうだろ?」
「……そうっすよね」
「なんだ?元気ねえな、お前ら」
去年は頑張っても県大会落ちだった。
サッカーで有名な学校でも勝利を掴むのは厳しいことだから。
その時、優しい声でキャプテンを呼ぶ声が門の方から聞こえた。
にこやかに迎える声のとおりに優しそうな先輩が俺らの副キャプテンだ。
「また、放課後な!ビシビシ鍛えなおすから覚悟しとけよな!!」
キャプテンはどこまでも熱く、男らしい人だ。
たまに面倒くさいけれど。
「目指せ、全国!!」
空を指差し大声で叫ぶ。
にっこにこの笑顔を俺らに残して、去っていった。
あるで嵐みたいな男だ。
「なんか、嵐というよりも地震が去ったみたいだったな」
「あぁ」
「俺らもさ、2度目の大会だな」
不意に口を開いたのは蒼次だ。
「去年の敗北が
まだ昨日のように思えてくる」
「俺もだ」
悔しい思いをした去年は忘れられない。
もっと強く、上手くなりたいと願わずにはいられなかった。

