AKANE -もう一度、逢いたい-



「あたし、行ってくる」


もう一度、3人の顔を見る。


すると3人とも何も言わずにうなずいてくれた。


そして3人に背を向けて、大きく息を吸う。


空は晴れ渡っていた。


(貴之も見ててよ)


そしてゆっくりと歩き始めたんだ。


目的場所は卒業式の会場。


体育館に一直線だ。



***


私たちも体育館に入り、席に座った。


在校生の私たちは後ろ方の席と決まっていた。


「ここ空いてるよ!」


私は蒼次くんと陽平くん、茜の4人が並んで座れるように空いている席を見つけた。


「じゃあ、座ろうか」


みんなで座ろうとした時、茜は言った。


ごめん、あたし別の席に
座らないといけないから」

「え…どういう…」

「またあとで」


茜は私の問いかけを遮って、前の方に向かって行った。