あたしの隣で、笑いをこらえていた明音と蒼次が大声で笑いだしていた。
「「あはははははっ」」
「な、なんだよ!?」
「だって…
陽平くん面白い!」
バカにされているのに陽平は嬉しそうだった。
「陽平。
これ誰だと思ってんの?」
「だから
あの謎の美少女の子だろ?」
「確かにそうだけど。
ってかまだ気付かないか?」
蒼次の言葉に頭を悩ましているようだった。
「二人してなんだよ!
誰か知ってるのかよ!?」
蒼次も明音もすんなりとうなづくのだった。
「えっと…あたし、茜」
「…はい?」
「…河﨑 茜です」
あたしは陽平にだけ聞こえる声で教えるのだった。
彼が理解してくれるまで数分かかるのだった。
「マジでーーー!?」
「声がデカい、黙って!」
あたしは恥ずかしかった。
「この言い方は、
間違いなく茜だな」
「だから本人だってば!」
この男、何度言わせれば気が済むのだろう。
溜息ばかりこぼれる一方だった。

