そして次はメイクをしてもらうから、ゆっくりと目をつぶった。
「化粧したらもっとかわいくなるから、これからもしたらいいのに」
「そもそも仕方が
分からないから無理」
「また無理って言う」
「しょうがないでしょ」
だって本当だから。
おしゃれの仕方なんて知らない。
「茜は本当にかわいいなぁ」
「はぁ?」
あたしは怒って、目を開けた。
「まだ途中だからちゃんと
目をつぶって下さーい」
あたしはしぶしぶ目を再び閉じた。
「仕方ぐらい、
いつでも教えるからね」
「…気が向いたら、よろしく」
明音はあたしの返答に笑っていた。
そして、「いつでもどうぞ」と言った。
「出来た!!」
ゆっくりと目を開いていく。
すごく緊張したんだ。
ありのままの姿を、キレイにした姿を見ることが怖くて。
目を開けると、自分だけど自分じゃないようだった。
「茜は自分の顔が
嫌いなのかもしれない」
「…そうだよ。ずっと
『ブス』って言われてきたから」

