「やっぱり
嘘じゃなかったんだね」

「……あぁ」

「ねぇ、なんで?
どういうことなの?」


私は彼に詰め寄った。


すると蒼次くんは苦い顔をしていた。


「…貴之は車に引かれた」

「!!!!」

「意識はない状態で、
呼吸もしていない」

「え!?」

「もう…
ダメかもしれない」


蒼次くんの声は上ずっていて、ズボンをギュッと握っていた。


「蒼次くんがそんなこと
言っちゃだめだよ!」

「そんなこと…分かってる」


私もつられて涙が流れた。


「詳しいことは
茜に聞いてくれ」


蒼次くんの目の先には悲しそうに外に出て風に当たっていた茜だった。


茜はまるで自分を責めるように、たった1人で寒い所にいるようだった。


「茜が
その事故現場にいたんだ」

「…そっか」


なぜ会っていたのか知っていた私。


私は蒼次くんに自分のハンカチを貸して、茜のもとに向かった。