実はこの大会を見るために、たくさんの強豪チームや大学の監督、実業チームの監督も来る。
俺たちのプレーを見るために。
だから今年は俺にとって、チームにとって勝負の一年だ。
学校に着く目前、門前には他校の女子学生もすでに待っていた。
陽平は嬉しそうに紛れていた。
「ってかいつも以上に多い…」
このまま行ったら俺も巻き込まれてしまう。
もともと、こういうのが苦手な俺は回り道をして裏門から入ろうとした。
けれど、そこにも待ち伏せされていた。
「…行動バレてる」
「こっちから入れば?」
俺に助けの声をくれたのは茜だった。
「茜…」
「いいから早く入って。
また追手が来るから」
そして俺たちはこっそりと給食室の裏側から入る。
「茜、手貸そうか?」
「………」
「ん?」
俺は手を差し伸べる。
少しためらった茜は仕方なさそうに俺の手を取った。
運動音痴の彼女は諦めたように俺の手を借りた。
「…ありがと」
すると茜はボソッとお礼を言うのだ。
だから俺は笑顔でどういたしましてと答えた。

