「助けてあげればいいのに」

「俺が行くと
もっと大変になるんだよ」

「やっぱり陽平って…」

「もう、それはいいから」


横でそんなやり取りをしているあたしたちを見て明音はクスッと笑っていた。


「なんか面白いね」

「まぁ明音ちゃんが
笑ってくれて本当に良かった」


2人の関係は思ったよりも良好のように思えた。


結局いい雰囲気だと思う。


「茜」

「何?」

「茜が助けてきたら?」

「どうして
そんな面倒くさいこと…」

「クリスマスの時、
仲良さそうだったから」


満面の笑みを向ける蒼次に殺意がわく。


何よりも電話で教えてくれないこともいらだっていた。


だから明音にはバレないようにみぞおちに一発くらわせたのだった。


「明音そろそろ行くよ」

「貴之くん
助けなくていいの?」

「そんなの関係ない」


あたしは蒼次をほっといて、スタスタと進んでいく。


「本当にいいの?貴之くん、
ずっと言われてるよ?」

「関係ない」