「…好き…………
なのかも………しれな…い」


好き。

好き。

好き………。


言葉にして、気付く。


好き。

好き。

好き………。



小さく呟いた言葉。


それだけで溢れてこぼれ始める。


「そっか」


明音は微笑んでくれていた。


「…んこと…ありえない」

「はいはい」

「本当だから。
大嫌いだから、あんな奴」


あたしはプイッてそっぽ向く。


顔から火が出そうなくらい熱かった。


「……ほっといてよ」


あたしの気持ちに気付いてしまった。


それは気付きたくなかった気持ちでもある。


だってアイツは憎くて、嫌いな奴。


あたしの人生をムチャクチャにした奴だ。


でも、あたしを暗闇から救ってくれたのも確かにアイツだったんだ。


気付いた気持ちは加速していくばかり。